はじめに
ポジポジ病を治すのは簡単ではありません。
なぜなら、ポジポジ病とは一種の習慣であり、脳にしっかりと根付いているからです。
治すにはまずポジポジ病になる仕組みを理解しておく必要があります。
今回は、
- ポジポジ病になってしまう仕組み
- ポジポジ病の治し方
について解説していきます。
ポジポジ病になる仕組み
ポジポジ病の本質
ポジポジ病とは、チャートを見るとついついポジションを持ってしまう(エントリーしてしまう)という、クセ(習慣)のことです。
ポジポジ病になる仕組み
1.きっかけ
あなたは初めてトレードで勝った時の感覚とか感情とかを覚えているでしょうか。
おそらくとても興奮して嬉しかったと思います。
脳は、「勝ちトレードが気分を良くしてくれる」、という経験を記憶します。
2.快楽の予測
別の機会にチャートを見た時に、以前勝ちトレードで経験した快楽を思い出します。ここでエントリーすれば勝利できるかも(快感を得られるかも)という衝動が起きるわけです。
この衝動を抑えきれず、エントリーをしてしまうというわけです。
つまりポジポジ病とは、
・トレードの勝利で気分が良くなる(ドーパミンが出る)
↓
・その前にしていた行動(チャートチェックや売り買いのボタンを押す)とトレードの勝利(ドーパミンの分泌)が結びつく(無意識)
↓
・同じ行動(チャートチェックなど)をすればドーパミンが得られると思うため、ついついエントリーしてしまう
という一連の流れのことです。
※これをドーパミン主導のフィードバックループと言います。
~ここまでのまとめ~
ポジポジ病は、勝ちトレード=快楽と脳で結びついていることが原因である。
ポジポジ病を治すのが難しい理由
上記で見てきたように、ポジポジ病は勝ちトレードで得られる快楽(ドーパミン)が原因なのです。
これは、「甘いものをついつい食べてしまう」とか「タバコ・お酒がやめられない」というものと根本では同じです。
脳の中で、勝ちトレード=快楽というような結びつきになっている限り、治すことはできません。
習慣とは、要するに結びつきである。この結びつきによって、習慣を繰り返す価値があると予測するかどうかが決まる
複利で伸びる1つの習慣 p150
ロットを上げるとポジポジ病になりやすいのは、得られる金額が多くドーパミンの量が増え、その快楽を何回も得たいと思ってしまうからです。
ポジポジ病の治し方
トレードをつまらなくする
ポジポジ病の原因は、勝ちトレードと快楽が結びついていることです。
そのため、勝ちトレードと快楽の結びつきを断つことが重要です。
勝ちトレードと快楽の結びつきを断つには、トレードで勝ってもつまらないということを脳に刷り込む必要があります。
勝ちトレード=快楽
↓
勝ちトレード≠快楽
に書き換える、ということです。
具体的な方法としては、
- ロットを下げる
- ルールを守ることを目的とする
などが考えられます。
ロットを下げる
ロットを下げたら勝てるようになるというのはFXやってる人にとってあるあるだと思います。
これは、ロットを下げることでトレード勝利時の獲得金額の減少させ、トレードをつまらなく感じるからですね。
ルールを守ることを目的とする
トレードで勝つことを目的とするのではなく、ルールを守ることを目的とする、というのも有効な手段です。
トレードで勝つ=快楽
ではなく、
ルールを守る=快楽
に頭の中で書き換えるということです。
お金を稼ぐためにトレードを始めたので、トレードで勝つことを目的としないというのは矛盾を感じると思いますが、勝ちを意識しない方が勝てるというのもFXではあるあるですね。
※参考記事
エントリーするまでのハードルをあげる
スマホからチャートを開いて簡単に注文が出せる、という環境もポジポジ病になりやすい原因の一つです。
そのため、エントリーするまでのハードルを上げることはポジポジ病を治すための有効な手段となります。
例えば
- チャートを開く前に指標のスケジュールを確認する
- トレードプランをノート(メモアプリ)に書いてからエントリーする
など、エントリーするまでに何か行動を追加し、エントリーがめんどくさいものにしてしまえば、エントリー回数は自然と少なくなります。
私の場合は、チャートを見る前は必ずトレードルールを見るようにしています。
ルールを見て意識した後にチャートを見るので、衝動的なエントリーはかなり少なくなりました。
~ここまでのまとめ~
ポジポジ病を治すには、
- トレードをつまらなくする
- トレードするまでのハードルをあげる
などの対応策を実施する必要がある。
まとめ
今回の記事をまとめると、
- ポジポジ病は、勝ちトレード=快楽と脳の中で結びついているから発生する
- ポジポジ病を治すためには、勝ちトレード≠快楽にする必要がある
ということです。
ポジポジ病を治すのは一筋縄ではいかないですが、避けられない問題ですので、真摯に向き合う必要があります。
下記の本は、悪習慣(ポジポジ病も含む)の治し方も書いてあるので、一回読んでみることをおすすめします。