
オーディブル(Audible)とは、Amazonが提供するオーディオブックサービスで、プロのナレーターによる書籍の朗読を耳で楽しむことができる。言い換えれば、読むのではなく「聴く読書」ができるサービスだ。
オーディブル日本版では具体的な会員数は公表されていないものの、2022年に料金体系を定額制の「聴き放題」へ移行して以降、会員数が32%増加したと発表されている。
一方、同じく国内最大級のオーディオブックサービスであるaudiobook.jp(オトバンク運営)は、2024年2月に会員数300万人を突破。この2社の動向からも分かるように、オーディオブック市場全体が拡大傾向にある。
なぜ、オーディオブックは今、人気なのか?
この記事では、
- オーディオブック市場が拡大する理由
- オーディブルでできることと、その効果
を紹介していく。
※参考外部サイト
・2022年「Audible」は、会員数32%増加。最も多くの方に楽しんでいただけた1年に。
・日本最大級のオーディオブックサービス「audiobook.jp」会員数が300万人突破! 8割以上が「学習」に活用
なぜ、オーディオブック市場が拡大しているのか?

市場の拡大傾向と背景
世界全体のオーディオブック市場規模は2024年にUSD 7.04 billionと推定され、2029年にはUSD 11.76 billionに達すると予測され、予測期間中(2024-2029)の年平均成長率は10.81%である。また日本国内でも潜在的な市場規模は500~800億円くらいあると予想されている。
※参考外部サイト
・オーディオブック市場規模・シェア分析-成長動向と予測(2024年〜2029年)
国内でもオーディオブックサービスは着実に広まっていると言える。国内で展開しているオーディオブックサービスと言えば、Amazonが運営するオーディブルと、オトバンクが運営するaudiobook.jpが有名だ。こちらの2つについても冒頭で述べた通り、順調に会員数を伸ばしている。
なぜ今、オーディオブックサービスが拡大しているのか。
それは、社会そのものの価値観の変化にあるのではないか。
社会潮流の変化|学び直し・副業・自己投資の時代

終身雇用が揺らぎ、転職が当たり前になりつつある。また年金受給年齢が後ろ倒しになり、定年後にも働く人が増えている。会社や社会は自分の面倒を見てくれない。将来は「自己責任」で切り開く時代になっている。
リスキリングも副業解禁も、そうした変化への適応を前提にした制度だ。会社が育ててくれる時代は終わり、これからは「自分で自分を育てる」ことが当たり前になる。
オーディブルのような「聴く読書」が注目されるのは、こうした社会の流れに置いていかれないよう、各個人が考えているからだろう。
空いた時間に少しでも学びを得たい──そんな思いが、オーディオブック市場の拡大を後押ししているのではないか。audiobook.jp の会員の約8割が学習目的で利用しているというデータからも、そうした傾向が読み取れる。
スキマ時間の活用

多くの人は、学びの必要性を感じながらも「時間が足りない」と感じている。
しかし、「足りない」と言うだけでは何も変わらない。どうにかして時間を作るしかない。
ここでポイントになるのが「スキマ時間」の活用だ。
日本人の平均通勤時間は往復で約1時間19分(片道約39分)。調査によると、そのうち約4割の人が「特に何もしていない」と答えている。
※参考外部サイト
こういった「移動時間」を活用できるのがオーディブルをはじめとするオーディオブックサービスだ。耳さえ空いていれば、移動中に限らず、洗い物をしながらでも、知識をインプットできる。
限られた時間の中で、効率よくアップデートしていきたい。
そんな想いに応えるサービスがオーディオブックなのだ。
オーディブルでは何ができるのか、どんな効果があるのか

オーディブルの効果:スキマ時間を使った学びの習慣形成
オーディブルの特徴は、何といってもスキマ時間を「学びの時間」に変えられる点にある。通勤や家事の合間など、ちょっとした時間をより効果的に使えるのが最大の特徴だ。これは、多くの人が抱える「学びたいが時間がない」という課題を解決してくれる。
しかしオーディブルの魅力は、それだけではない。「なんとなくダラダラと過ごしていた時間(=非効率な時間)」を削減する、という習慣改善をも可能にする。
【筆者によるAudible活用検証結果】「非効率な時間」→「学びの時間」への置き換え
- 確保した読書時間:平日5日間(週)で合計 11時間48分
- 削減した非効率な時間:平日5日間(週)で合計2時間半(YouTube視聴時間が2時間半減少)
この結果から、「オーディブルは、無為に過ごしていた時間から良い習慣(知識のインプット)へと時間をシフトさせるツールである」と言えるのではないだろうか。少なくとも、忙しい現代人が継続的に学ぶための、現実的な選択肢の一つにはなる。
オーディブルを使い始めてからは、今までと同じ生活のリズムでもその中で得られる情報や学びの量が明らかに増えた。オーディブルは「新しい時間を作る」のではなく、日常の時間をより豊かに使うためのツールなのだと感じている。
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オーディブルでできること(主な機能と特徴)
ここからはオーディブルでできることを紹介していく。効率良く学ぶために、また学びの習慣を続けていくために、色んな機能が用意されている。
・再生速度調整
オーディブルでは、再生速度を0.5倍〜3.5倍の間で細かく調整できる。
再生速度を上げれば上げるほど、同じ時間で読める数が増え、効率も上がっていく。慣れは必要だが、1.5倍くらいなら割と不自由なく聴ける。
・スリープタイマー
スリープタイマーを使えば、時間を区切って読書ができる。予定まで少し時間があるときは5分、集中して聴きたいときは30分など、状況に合わせて調整できる点が良い。
また、集中して聴きたいときは、あえて時間を区切るのがいい。人間の集中力は、そんなに長く続かないからだ。
さらに、読書ノートや要約をアウトプットする場合は、章ごとの再生がおすすめだ。忘れないうちにアウトプットし、また聴くことに戻る。
この繰り返しが、知識の定着に繋がる。
・ブックマーク機能
ブックマーク機能を使えば、印象に残った一節をすぐに、ワンタップで記録しておける。保存した一節にメモ書きができるので、振り返るときにもわかりやすい。
あとで聴き返したいときはもちろん、アウトプットや読書ノートを書くときにも役立つ。特に、考え方や思考のプロセスを自分の中に「インストール」したいときは、繰り返し聴くことで理解が深まっていく。
まとめ

現代は、多様性やハラスメントへの配慮から、他人に干渉することが避けられている。
その結果、「本人次第」で格差が広がり、他人に依存せず、自分を管理しながら成長する力が求められるようになった。
リスキリングや副業が奨励されるのも、そうした社会の流れの表れだ。
このような時代に、オーディオブック市場が広がっているのは自然なことだろう。おそらく、この流れは今後も続いていく。
オーディブルは、その流れの中で「耳から学ぶ」という新しい習慣を日常に取り入れるためのツールだ。自分の生活リズムの中で、学びを少しずつ積み重ねたい人にとって、オーディブルはその第一歩になるだろう。
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