この記事では、エクセルを使ったトレード収支表の作り方を紹介します。
トレードを管理・分析・改善するなら、
- 勝率
- PF（プロフィットファクター）
- リスクリワード比
この３つは間違いなく必要になってくるので、これらの指標が自動で算出されるような収支表を作っていきます。
- 左側にトレード結果を入力
- 右側に集計結果を自動表示
というような感じの仕上がりになります。
さっそく作っていきましょう。
手順１．表を作る
まずは、左側のトレード結果を記録していく部分の表を作ります（図１）
記録する項目は、
これくらいあればとりあえずOKです。
他にも、保有時間とか損益率とか、自分が気になることや集計・分析したい項目があれば追加しましょう。
次に集計部分の表を作ります。
- 勝率と勝率の算出に必要な項目
- PFとPFの算出に必要な項目
- リスクリワード比とリスクリワード比の算出に必要な項目
これで下準備は終わりです。
参考（１）
各指標の計算方法
- 勝率（％）＝勝ちトレード÷総トレード数×１００
- PF＝総利益額÷総損失額
- リスクリワード比＝平均利益額÷平均損失額
手順２．数式を入力する
ここが今回の山です。
エクセルになれていない人にとってしんどい作業だと思いますが、１回作っておくと後は勝手に計算されるようになるので、頑張って進めていきましょう。
手順2-1：勝率とそれに関連する項目の数式を入力する
では①、②、③にそれぞれ次の数式を入れていきます。（図３）
①
＝COUNTIF（G:G，“＞０”）
②
＝COUNTIF（G:G，“＝０”）
③
＝COUNTIF（G:G，“＜０”）
※注１：全て半角で入力する
※注２：数式は＝から入力する
※注３：Gの部分は、スワップ込み損益の上のアルファベットと同じであること（図３）
これが終われば、あとは簡単です。
④には総トレード数を求める式、⑤には勝率を求める式を入力します。（図４）
④総トレード数＝勝ち＋引き分け＋負け
⑤勝率＝勝ち÷総トレード数
具体的な数式は以下の通り。
④
＝K4＋K5＋K6
⑤
＝K4/K3
これで勝率の部分はOKです。
ここで使用したCOUNTIF関数は、
- 指定の範囲内に
- 指定した条件を満たす値が何個あるか
を知りたい時に使います。
①に入力した＝COUNTIF（G:G，“＞０”）は、
- G列（スワップ込損益の列）の中にある
- ０より大きい値（勝ちトレード）の数
を求める数式ということです。
手順2-2：PFとそれに関連する項目の数式を入力する
⑥と⑦に次の数式を入力していきます。（図５）
⑥
＝SUMIF（G:G，“＞０”）
⑦
＝SUMIF（G:G，“＜０”）
※注１：全て半角で入力する
※注２：数式は＝から入力する
※注３：Gの部分は、スワップ込み損益の上のアルファベットと同じであること
次に⑧にPFを求める式を入力します。
PFは総利益÷総損失で求められますので、
＝K9/ABS（K10）
を入力します。
これでPFも完了です。
ここで資料したSUMIF関数は、
指定の範囲内に
指定した条件を満たす値の合計
を知りたい時に使います。
⑥に入力した＝SUMIF（G:G，“＞０”）は、
- G列（スワップ込損益の列）のなかにある
- ０より大きい値（勝ちトレード）の合計
を求める数式ということです。
ABSについて
ABSは絶対値を使って計算する時に使います。
＝K9/K10
だと、PFの値がマイナスになるので、それを避けるために
＝K9/ABS（K10）
と入力しています。
手順2-3：リスクリワード比とそれに関連する項目の数式を入力する
⑨と⑩に次の数式をそれぞれ入力していきます（図６）
⑨
＝AVERAGEIF（G:G，“＞０”）
⑩
＝AVERAGEIF（G:G，“＜０”）
※注１：全て半角で入力する
※注２：数式は＝から入力する
※注３：Gの部分は、スワップ込み損益の上のアルファベットと同じであること
次に⑪にリスクリワード比を求める式を入力します。
リスクリワード比は平均利益額÷平均損失額で求められますので、
＝K13/ABS(K14)
となります。
これで数式の入力は終了です。
ここで使用したAVERAGEIF関数は、
- 指定の範囲ないに
- 指定した条件を満たす値の平均
を知りたい時に使います。
⑨に入力した＝AVERAGEIF（G:G，“＞０”）は
- G列（スワップ込損益の列）の中にある
- ０より大きい値（勝ちトレード）の平均
を求める数式ということです。
手順３．テスト、見た目の修正
手順3-1：数式が反映されているかをテストする
ここまでの工程が終わったら、入力した式が正しく反映されているかをチェックしていきましょう。
10個くらいトレードデータを入れてみます。（図７）
赤枠の欄に数値が表示されているか、その値が正しいか、確かめていきましょう。
※注1．スワップ込み損益の入力ですが、損失は－表記しないと負けトレードとしてカウントされませんので、入力の際は注意してください。（図８）
手順3‐2．見た目（書式）を整える
あとは、自分が見やすいように整えるだけです。
私の場合だと、
- 勝率→％表示にする
- PF、リスクリワード比→小数点第2位まで表示
- マイナスは赤色にする
- その他、文字を中央揃えにする
とかですかね。（図９、１０）
この辺りはほんとにお好みで変えていってください。
これでトレード管理表の完成です。お疲れ様でした。
トレード収支表を自分で作るメリット
今回収支表で勝率やPF等の指標が自動で算出されるようにしましたが、言ってしまえば別に自分で作る必要ってないんですよねwFX業者が提供しているプラットフォームとかで見れることが多いので。。
ただ、個人的には自身で作成・管理することにメリットがあると実感しています。
具体的には、
- 振り返りが捗ること
- 改善点が見えてくること
この2つです。
①振り返りが捗る
こういったExcelでの収支表は自身の手を動かしてデータ入力する必要があります。
その時に、「何故ここででトレードしたんだろう？感情的になってたな……」「このトレードは良かった。上手くいった理由は何だろう？」などトレードを振り返ることが出来るんですね。
失敗したトレードを振り返るのは苦痛が伴います。ですが、自身のトレードを振り返らずには成長を望むことすらできません。
②具体的な改善点が見えてくる
①からの流れになりますが、振り返りが進むと問題点・改善点などがくっきり見えてきます。
- 感情的にトレードしてたなら、それを防ぐために何をしていくのか？
- 利食いが早いなら、それを防ぐために何をしていくのか？
施策を打ち、結果を受け止め、振り返る。
この繰り返しが利益に繋がってくると思いますし、その習慣を身に付けるきっかけになるのが、手動による収支表のデータ入力かなと思います。
損失の中にこそ、探し求めている成功への秘訣が隠されているのである。
～引用元：デイトレード～
これは、デイトレードの第6章、熟練トレーダーへの道～成功をつかむための12の法則～の中にある、第6の法則-己の損失から学ぶ-の一節です。
失敗や損失などの振り返りと検証が、勝ちへ繋がる行動であるということですね。
