今回の記事は、「リスクの心理学」という本を紹介します。
この本は私のバイブル的存在で何回も繰り返し読んでるんですが、ネットにレビュー記事とかが出てこないんですよw
名著だと思っている本がまったく評価されてないのも悔しいので、今回は「リスクの心理学」の中で印象に残った部分を厳選して紹介します。
自分の感情に意味があるとは限らない(p101)
あまり意味のない考えが脈絡なく湧き上がってくることがあるように、予期せぬ感情が不意に湧き上がることもあるかもしれない。しかし、感情そのものが問題になることはほとんどない。問題をもたらすのは、そうした感情に「自動的に反応してしまうこと」と、感情の「解釈」である。
~リスクの心理学p95より引用~
まずは上記の部分。この文章だけ読むと難しいですが、下記のような状況を思い浮かべてみてください。
誰が見ても明らかに上昇トレンドで、誰が見ても買いだという時。「でもここからじゃ怖くて買えないよな…」とかって思って買いを見送ったら、そのまま更に上昇していったという経験はありませんか?(私は382回くらいありますw)
こういった事象がどうして起こるのか、考えたことありますか?
これは、怖いという感情に反応して行動(見送りの判断)をしているから起こる現象なんですよね。
チャート分析をしている時は冷静に判断できても、実際にエントリーする時は怖くてできなかったり、含み益を失いたくないという恐怖からすぐ利食いしたり。。自分の感情に反応して行動をしたことがあるんじゃないでしょうか?(私は1458回くらいありますw)
これは一種の自己保存プログラムで、人間は恐怖を感じるとそれを解消しようと体が反応するんですよね。これがあるから危険な状況に直面しても対処出来たり逃げ出したりすることができるわけです。
ただ、この脳に刻み込まれた習性がトレードにおいては厄介だという話です。
感情に対して自動的に反応することをやめ、自分の経験を失敗の証としてではなく、新たな情報とみなすことができれば、挫折ではなく、飛躍を経験することができるようになる。
~リスクの心理学p96より引用~
怖いという感情が出てくること自体は仕方ないですよね、人間ですから。問題は、怖いという感情に自動的に反応してしまうことなんです。感情を受け入れながらも自動的に反応しないようにしていくことが重要なんです。
※言葉で言うのは簡単ですが、これめちゃくちゃ難しいです。
不安を感じながら、ひとつの売買に賭けることがあってもよい。あえて恐怖を感じることがあってもよい。胸が高鳴り、冷や汗が流れるかもしれないが、どうということはない。単に脈拍と呼吸が速くなるだけの話で、これから何が起こるかを知らせてくれるわけでもない。そんなことを気にして自分のビジョンからはずれてはならない。
~リスクの心理学p97より引用~
では、トレード中に湧いてくる不安とか負けた時の悔しさなどを受け入れつつ、感情と行動を切り離すためにはどうすればいいのか?
その答えも本書に書いてあるので、気になる人は手に取って自分の目で確かめてください。
本書の構成
他にも紹介したい所はありますが、そうすると膨大な文字数になるので、泣く泣く省きますw
代わりに、本書の目次を以下に記します。
- はじめに
- 序章 目標を達成できない本当の理由
- 第Ⅰ部 リスクの本質
- 第1章 リスクとは何か
- 第2章 トレーディングアプローチを理解する
- 第Ⅱ部 リスクの問題
- 第3章 自分の感情にどう対処するか
- 第4章 流れに身を任せる
- 第Ⅲ部 リスクと性格
- 第5章 受け身なトレーダーの共通点
- 第6章 ハイリスク・トレーダーを解剖する
- 第7章 達人トレーダーの秘密
- 第Ⅳ部 リスクを取る
- 第8章 大きなリスクを取る
- 第9章 失敗を成功に変える方法
- 第10章 データ分析には何が必要か
- 第11章 リスクに立ち向かう三種類の道具
- 終章 まず、やりたくないのにやっていることがないかを考えよう
このような構成になっています。
私はこの中で特に第3章を繰り返し読んでいますねー。自分の弱点をそのまま指摘されているようで、身につまされる感覚が湧いてきますw
まぁ、一回読んだだけだと分かった気になって身についてないことがほとんどですので。。何回も読み込んで無意識まで浸透させるよう意識しています。
まとめ
基本的に本書はメンタルに関する記述がメインです。手法・テクニカル的なことには一切触れていません。
そのため「やり方」を求める人にはお勧めしません。また、経験が浅い人には理解しづらい部分もあると思いますので、初心者にもお勧めしません。
逆に、ある程度経験を積んできた人には自信を持ってお勧めします。
- 成功するために、あと何か一つ足りない
- もう少しで飛躍できそうな気がしている
現在、こんな感覚を持っている人には特に読んでほしいなーと思います。ブレイクスルーのきっかけになると思いますよ。