はじめに
多くの人がFXで負けている理由は、自己分析が足りてないからです。
自己分析をしていくと自分の負けパターンがはっきりと見えてくるので、それに対応していけば、負けを少なくしていくことができます。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
負ける時は、負けるべくして負けています。
そこに気づかない限り負けを減らすことは出来ませんし、負けが多ければトータルで勝ち越すことも難しくなります。
ただ負けを減らすことはそこまで難しいことではありません。負けパターンというのは大抵パターン化しているので、傾向を掴みやすいです。
ですが、それにはトレードの記録を取り分析をする必要があるのです。
トレード記録から負けている理由を探す
負けている理由は、トレード記録の中を掘り出して見つかっていくものです。記録から負けているトレードのみを抽出してその共通点、特徴を探し出しましょう。
※エクセルだとオートフィルターで負けトレードだけ抽出できるので、記録を取るなら手書きよりもおすすめです。
※エクセルを使ったトレード収支表の作り方は以下の記事をご覧ください。
負けトレードのみを抽出したら、共通点・特徴を探します。
特徴や共通点が無いなら、ルール無しのトレードしてるという理由で負けている可能性がありますし、データが足りない可能性もありますね。
共通点の例
共通点は、気付きやすいものからそうでないものまでいろいろあると思いますが、下記に例を挙げておきます。
自己特性要因
例えば負けトレードの大半が、
- 特定の通貨ペアに偏っている
- 特定の時間帯に偏っている
- 保有時間が〇時間(日)以上or以下
- 特定の時期(曜日、週初・週末、月初・月末など)
というようなものです。
上記のような共通点は、自身のトレードスタイルなどに起因していることが多いため、自己特性要因と呼んでいます。
心理要因
心理要因は、
- 負けてるときはルール外のトレードが多い
- 負けてるときはトレード回数が多い
- 負けてるときはロットが大きい
- 負けているときはエントリー後に時間軸の変更している(ex.短期→長期)
などがあります。
これらは、いつの間にか無意識に高リスクな行動を取っているという類のものです。
上記のような共通点は、トレード時の心理的状況が原因になっていることが多く、心理要因と呼んでいます。
認知要因
負けトレードのチャートをキャプチャして保存しているならそれも見返してみるといいです。
ド天井・ド底で掴んでることや、明らかに流れと逆方向のポジションを持っていることが多いという特徴もあるかもしれません。
後から見れば「何でこんなところでエントリーしたんだろ?」って思うんですけど、エントリーした瞬間はその方向に進むと思い判断している事例は割と多くありそうです。
上記のような共通点はチャートや相場環境の読解・認識に要因があることが多く、認知要因と呼んでます。
共通点から「負ける理由」を推測する
洗い出した共通点を元に、「負けている理由」を考えてみましょう。以下は、個人的に思う「負ける理由」とその対策です。
共通点その1.自己特性要因について
特定の通貨ペアや特定の時期に負けが偏っているなど、自分のトレードスタイルが関係している可能性があるのでは?と考えられます。
なので、
- 〇〇(通貨ペア)はトレードしない
- 週末はトレードしない
などトレードの対象やトレードするタイミングを絞るとかの対策が取れそうです。
私の例としては、監視する通貨ペアからクロス円を外しました。クロス円に関して成績も良くなかったですし、苦手意識もありました。今はドルストだけ見てます。
共通点その2.心理要因について
心理要因は中々改善が難しいです。人間の本能が大元の原因ですからね。
人は不利な状況になればなるほどリスクの高い行動を取るようになってると言われてます(プロスペクト理論より)。
なので知らないうちに高リスクな行為(トレード過多・過剰ロット)を取っている人は、まずそれを自覚する事が先決です。
リスクの高い行為をしているのは、主にトレード中に発生する負の感情が原因となっていることが多いです。
トレード中には様々な負の感情が発生します。それが悪さをして知らないうちにリスクの高い行為をしてしますのです。
対策としては、自分の負の感情について理解をしたうえで、それを抑えるためのルールを設けることです。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。
共通点その3.認知要因について
「認知のクセ」って知っていますか?同じものを見てても見る人によって頭の中で考えてることは違います。
例えば、水がコップに半分入ってるとして、「まだ半分ある」と考える人もいるし「もう半分しかない」と考える人もいます。どれがいいとかではなく、これは思考(認知)のクセなのです。
このクセが、チャートを見た時に受け取る相場の印象や解釈に影響を及ぼすのです。
「認知のクセ」は「人の脳が、インプットした情報をどう処理するか」、つまり「脳の情報の処理の仕方」だと考えてください。
もし、人間の脳が、入ってくる情報を素直に受け止めてくれるのであれば、私たちは合理的な行動をするはずです。
しかし、やっかいなことに人間の脳には「情報の処理の仕方」そのものに「歪み」が存在します。「この認知のクセ」があることで、私たちは情報を歪めて処理してしまい、それが「非合理な意思決定」に繋がっているのです。
行動経済学が最強の学問である p75より引用
売りだと思って入ったらそこが押し目だったってことありませんか?(私はめちゃくちゃあります。)
これは押し目を売り場だと「認知」するクセが私にあるからです。なのでこのクセを矯正する必要があるんですね。
黄色丸でロング、青丸で利食い pic.twitter.com/bKPS8wjJZH
— ken@手書きチャートの人 (@ken_fx_trade) 2024年6月3日
1hだとこんな感じ pic.twitter.com/2tPsTG1j7C
— ken@手書きチャートの人 (@ken_fx_trade) 2024年6月4日
昔は同じ場所でショートしてた。今はそれを逆にしただけ。
— ken@手書きチャートの人 (@ken_fx_trade) 2024年6月4日
こういった認知要因も心理要因と同じで自覚することが大事です。無意識のクセなので、常に意識していないと何度も繰り返します。
またチャートを手書きするのもおすすめです。
チャートを手書きすることで、目線をフラットに保つことができるので、認知のクセも矯正しやすくなります。
※参考記事
まとめ
「負けを知った時、初めて勝つことが出来る」
これはオリンピック金メダリストの北島康介氏の言葉ですが、トレードを含めた勝負事全てに通ずることではないでしょうか。
負けと向き合うこと自体、楽ではないですが地道に1歩ずつ進んでいけるよう日々過ごしていきたいですね。