トレンドに乗ってトレードをするためには、そもそもトレンドというものが何か、ということをしっかり理解していないといけません。
では、トレンドとは何か。
あなたはきちんと理解していますか。
自分の言葉で説明できますか。
FX中級者たるもの、トレンドというものを自分自身でトレンドを定義付けできなければなりません。
「トレンドとは何か?」が分からないのに、トレンドフォローなんで出来るわけないでしょ?
トレンドの定義
こちらが、私が思うトレンドの定義です。
トレンドとは、偏った行動が積み重なって出来た過去の値動きのこと
以下、3つに分けて解説します。
「偏った行動」とは
行動とは注文のことを指します。行動には売りと買いのどちらかしかありません。
つまり「偏った行動」とは、「売り」もしくは「買い」どちらかに注文が集中しているということです。
「積み重なる」とは
「積み重なる」とは、一定期間継続することを意味します。「一定期間」とは数分、数時間から数日、数週間など切り取る時間軸によって様々です。
例えば、上昇トレンドなら、
価格上昇が一定期間継続する→買いという行動が一定期間積み重なる
となります。
「過去の値動き」とは
「過去と値動き」とは、文字通り、過去の値動き(結果)という意味です。
つまり、
- 偏った行動が
- 一定期間
- 積み重なった結果
がトレンドです。
トレンドはあくまで過去の結果であり、未来を教えてくれるものではありません。
~ここまでのまとめ~
トレンドとは、偏った行動が積み重なって出来た過去の値動きのこと
※トレンドとは相場の方向性である、というのをネット上で見ますが、「方向性」という言葉だと、未来もその方向に進むというニュアンスが含まれてるように受け取れるので、私個人としてはトレンドの定義に「方向性」という言葉を使っていません。トレンドとは過去の値動きであって、これから先の未来を示唆するものではない、と私は考えています。
トレンドを発生させる要因
トレンドを発生させる要因=偏った行動を発生させる要因です。偏りを生む要因として以下のものがあります。
- 経済指標
- 要人発言
- 有事
- 金融政策
- その他ニュースなど
これらを相場参加者が受け止めた後、様々な思惑を形成し、行動(売買)に偏りが生じ、それが継続して(積み重なって)トレンドとなります。
また、トレンドがどのくらい継続するか?というのは事前に分かりません。強いて言うなら、偏りを生んだ要因が市場参加者全員に織り込まれるまで(認知されるまで)です。
~ここまでのまとめ~
トレンドを発生させる要因はたくさんある。
トレンドは、トレンドを発生させた要因が織り込まれるまで続く
トレンド発生の見極め方
トレンドを構成している要素は「偏った行動」なので、トレンドが発生しているということは偏りが発生している、つまり異常な状態なのです。よって、トレンド発生を見極める方法は、相場の異常を検知すること、と言えます。
チャートはマネーの動きの足跡とでもいうべきものである。チャートは嘘をつかない。トレーダーにとってマーケットは患者なのであり、チャートは患者の内部を映し出すレントゲン写真なのである。
「デイトレード」より引用
医者が診察するように、チャートを観察して異常がないかを確かめ、異常があればトレンドが発生するかも、と準備をしタイミングが来ればエントリーをする。そのような流れで私はトレードをしています。
相場の異常を検知するには相場観が必須です。
相場観の鍛え方については下記の記事をご覧ください。
~ここまでのまとめ~
トレンドの発生を見極めるとは、相場の異常に気付くこと
一般的なトレンドの定義に疑問を持つ
上昇トレンドなら高値切上げと安値切上げが、下降トレンドなら高値切下げと安値切下げがチャート上に現れていることを、トレンドの定義としている人も多いのではないでしょうか。
(ネットではそういうブログ記事や意見が多くみられますね。私も昔はそうでした。)
ただ、上記のようにトレンドを解釈しても、気付いた時にはトレンドが終わっていて、思うように利益を上げられませんでした。
トレンドの発生・初動を正確に捉え、その波に乗り利益をしっかり得ることができないんですよね。
この経験から、「高値安値切上げ・高値安値切下げ」という一般的な解釈・見方ではトレンドを捉えてトレードすることは不可能だと思い、トレンドをより深く理解するために自分自身でトレンドを再定義しようと思いました。
トレンドに乗るトレードって、タピオカ屋が流行る前にタピオカ屋を始めることと同じなんだよな。後から入ってくる物は利が薄いし、というか利が薄いで済めばいいし大抵は損する
— ken@手書きチャートの人 (@ken_fx_trade) 2024年2月25日
上記のような一般的なトレンドの定義も間違ってはいないんですけど、この定義でトレンドが把握できるような状況は、既にある程度トレンドが進んだ状態なことが多いので、自分が理想とするトレード(トレンドに乗るトレード)を執行するには使いづらいのです。
~ここまでのまとめ~
トレンドに乗る(トレンドフォロー)とは、タピオカ屋が流行る前にタピオカ屋を始めることと同じである
自分でトレンドを定義することが必要
どういう値動きをトレンドと定義して、何をもってトレンドが発生したと判断するのか、それを自分で定義・決めることが一番重要です。
トレードにおいて大事な要素は、自分で定義する。少なくとも他人が決めた定義やルールに心中しない。自分の大事なお金を賭けるわけなので、そこを妥協してはダメですね。
ネットの情報、書籍などは自分の理論や考えを定義付けするためのヒントとして使いましょう。
~ここまでのまとめ~
自分自身でトレンドを定義することが大事
おまけ:トレンドを定義するためのヒント
トレンドを再定義するためには、1つ1つの事象を掘り下げて考えることが必要です。
- 価格が一方的に上昇(下降)するのはなぜか?
- 注文が偏るのはなぜか?
- 何を見て、何を感じて注文をしているのか?
- 織り込みとはなにか?
- 織り込みはいつ完了するのか?
- 時間の経過はトレーダーの心理にどんな影響を与えるのか?
などなど、これらを考えながらトレンドを自分の言葉で説明できるようにしていきます。
まとめ
今回の記事をまとめると、トレンドを理解するためには自分でトレンドを定義する必要がある、ということです。
FXやトレードって、最初の頃は本とかネットで知識を頭に入れること(勉強に近い)が大事ですが、ある時から自身のトレードを研究していくフェーズに入ります。
今回のトレンドを定義するという作業も、その研究の1つですね。
めちゃくちゃしんどい作業ですが、ここを乗り越えないとトレードで稼ぐのは厳しいとも思います。
※本記事にあるトレンドの定義はあくまで私の目線によるもので、これが絶対正解ではありません。
あなたは、あなたの目線や考え方を軸にトレンドを定義付けしてみてください。良かったらその定義をコメントで教えてもらえると嬉しいです。